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TPPからの即時撤退/いじめ問題 2013年12月市議会 一般質問

2013年(H25)12月市議会 一般質問

   ◎TPPからの即時撤退

   ◎いじめ問題

 

 

14番(中島満議員) 私は、まずTPP(環太平洋連携協定)からの即時撤退についてお伺いします。
 ことし3月15日、安倍首相が国民の反対を押し切って、TPP交渉参加を表明した会見で、国民に2つのことを約束しました。
 1つは、国民への丁寧な情報提供です。
 首相は、交渉に参加すれば、情報を入手しやすくなるとまで言いました。ところが交渉参加の会合でやったことは、秘密保持契約への署名でした。
 その後、政府は交渉経過は一切公開できないとし、日本政府がどういう提案をしているのかさえ一切明らかにしていません。
 いま一つの約束は、強い交渉力で、守るべきものは守るでした。自民党は参院選公約で米、麦、牛肉、豚肉、乳製品、砂糖などの農産物の重要5項目を聖域とし、それが確保できない場合はTPP交渉からの脱退も辞さないと国民に約束しています。
 ところが、この10月、自民党のTPP対策委員長が農産物の重要5項目を関税撤廃の例外から抜けるか抜けないかを検討すると述べました。
 また、TPPには医療や雇用や公共調達など、さまざまな問題があるのに、年内に妥結することだけは明確にし、重要5項目の関税撤廃も検討という動きは、国民に対する重大な裏切りであります。
 そして、このような政府の態度に対して、市長はどのように考えているのか。
 また、当然これまでの交渉の詳細な内容を情報公開することを求めるとともに、交渉からの即時撤退を求めるべきと考えますが、見解を伺います。
 また、TPPに参加し、全ての関税が撤廃された場合の影響額についてであります。
 県は6月議会で、またTPP交渉への参加に反対する大学教員の作業チームが7月に、それぞれ試算を発表しています。
 県の試算では、県内の農林水産物の産出額で約300億円減少し、米を中心とした農産物に限れば約285億円減少するとしています。
 また、大学教員の作業チームでは、県内の全農作物の生産額総額は746億円で、TPPにより327億円減少すると見積もり、43.8%減となります。
 全国平均が26.1%で、富山県が全国でも最大の減少率となっています。
 また、米だけの被害額で言えば、産出額の減少額が230億円、減少率35.1%、所得の減少額は57億円、減少率は26.3%としています。
 なお、全国の農業生産の減少額は2兆5,142億円に達し、農業所得の減少額は4,081億円としています。
 この農林水産物等の生産減少額をもとに、全産業での生産減少額を10兆5,393億円と試算しています。
 これに伴う就業者減少数も農業で146万人、全産業で190万2,000人としています。
 そこで、南砺市における全農産物、そして米の産出額と減少額、減少率はそれぞれどれぐらいと見込んでいるのかを伺います。
 10月24日に開かれた産業競争力会議農業分科会で、経営安定対策や水田活用交付金、転作奨励金などの補助金をゼロベースで見直すことを要求をしました。政府・自民党も生産調整の廃止を含め、政策の根本的転換を決めるとしています。TPP決着を前提にした究極の米つぶし政策であります。
 米の所得補償では、10アール当たり1万5,000円の固定支払いを来年から7,500円に大幅に削ります。そして、国が米の生産目標数量を示すのをやめ、生産調整そのものを廃止し、米の安定供給に対する国の責任を放棄します。
 また、米価暴落対策として、政府が検討しているのは、収入保険です。しかし、これは国庫補助なしの民間保険であり、政策の名に値しないものであります。
 そこで、TPP決着を前提としたアベノミクス農政改革と言われるものに対する見解を伺います。

 次に、いじめ問題についてお伺いします。
 いじめ自殺が各地で起き、多くの人々が心を痛めています。深刻化するいじめをとめることは、日本社会の切実な問題です。今日のいじめは人間関係を利用しながら、相手に恥辱や恐怖を与え、思いどおりに支配しようとするもので、時に子供を死に追い詰める事件に発展し、ネットによる中傷、傷害、恐喝などの犯罪ともつながっています。
 多くのいじめ被害者は、その後の人生を変えてしまうような心の傷を受け、大人になっても恐怖で社会に出られないなど、後遺症に苦しんでいます。
 いじめはいかなる形をとっても、人権侵害であり、暴力です。しかもいじめはどの学級にもあると言われるほど広がっています。
 責め合うような言葉を交わしたり、遊びやふざけとして人が傷つくことを楽しんだり、その様子を周りで見ていたり、こうした風景が日常のものになれば、子供たち全体の成長に暗い影を落とすことになります。
 いじめの問題の課題は、さまざまありますが、とりわけ社会が正面から取り組み、事態の打開をすることが大切です。
 1つは、目の前のいじめから子供たちのかけがえのない命、心身を守り抜くことです。
 この点で、子供を守れないケースが繰り返されていることが大きな問題です。
 同時に、いじめを解決した貴重な実践が各地にあるということも重要です。これから教訓を汲み取れば、子供を着実に救う道が開かれます。
 2つ目は、抜本的な対策としてなぜいじめがここまで深刻になったのかを考え、その要因をなくすことです。
 いじめの芽はどの時代、社会にもありますが、それがたやすく深刻ないじめにエスカレートしていくことに今日の問題があります。教育や社会のあり方の問題と捉えて、その改革に着手することが求められています。
 いじめは大人にわからないように行われ、加害者はもとより、被害者もいじめを認めない場合が少なくありません。それだけに、訴えやシグナルがあったときは、相当深刻な段階になっていると考えたほうが妥当です。
 いじめかなと少しでも疑いがあれば、直ちに全教職員で情報を共有し、子供の命最優先の速やかな対応が必要です。
 事実確認してから報告などの形で様子見をして、事態を悪化させてはなりません。
 いじめのことは、子供たちが誰よりも知っています。そして、多くの子供がいじめを何とかしたいと思っています。こうした子供の力を信頼して、子供たちがいじめをとめる人間関係をつくることを支えたいと思います。
 また、いじめる子には、いじめを反省し、いじめをしなくなり、人間的に立ち直るまで、徹底した措置とケアが必要です。厳罰主義は子供の鬱屈した心をさらにゆがめるだけです。
 また、加害者の出席停止措置は、緊急措置としてあり得ますが、その間の措置やケア、学習の保証がなければ、逆効果になりかねません。慎重に選択すべきです。
 重大な犯罪に当たる場合、警察に被害届を出し、更生の手続に入ることもありますが、警察は子供の教育や更生の機関ではなく、過度に依存することは正しくありません。
 いじめの解決に取り組むための条件整備が大切です。教員の多忙化の解消、子供一人一人を丁寧に見られる少人数学級も重要です。そのため、途中でとまっている35人学級の完成、いじめを発見しやすい立場にある養護教諭、カウンセラーの増員、そして教員にいじめ問題についての研修を保障することが必要と考えます。
 そこで、まず教育長にいじめ問題に対する基本的な考えを伺います。
 ことし6月21日、日本で初めていじめ対策の法律、いじめ防止対策推進法が成立しました。衆議院、参議院ともわずか4時間の審議で、重要法案なら行われる関係者からの意見聴取もありませんでした。
 そこで、推進法が抱える問題点についてであります。
 一言で言って、問題の中心は厳罰主義と道徳主義であります。
 第4条で、児童等は、いじめを行ってはならないと法律でいじめ禁止を子供に命令しています。そして、禁じられたいじめをした子供に教育上必要があると認めるときは、懲戒を科するものとするとし、既に学校教育法で規定されている出席停止制度を特別に強調しています。
 また、いじめられた子は支援され、いじめる子供は指導されると書き分け、いじめる子供は支援の対象でないかのようでもあります。
 道徳主義の点では、全ての教育活動を通じた道徳教育及び体験活動等の充実を掲げています。
 多くの学校関係者が高く評価している大津市の第三者委員会からも、道徳教育に限界があると指摘され、的外れの防止策を強調しております。
 特にいじめ自殺事件の起きた大津市立中学校は、市内で唯一の国の道徳教育推進指定校で、2年間にわたり取り組まれてきました。道徳教育はそれ自体大切なものですが、いじめ予防の決め手にはなりません。
 そこで、厳罰主義と道徳主義に対する見解を伺います。
 いじめ防止対策推進法は、公布された3カ月後の9月28日から施行されました。国では、文部科学大臣がいじめ防止基本方針を策定し、地方自治体では、国の基本方針を参酌して地方いじめ防止基本方針をつくる努力義務を課せられます。
 学校では、国と地方の方針を参酌して、その学校の実情に応じ、学校いじめ防止基本方針を定めることが義務づけられました。そして、いじめ防止のための組織が置かれることとなります。
 学校では、いじめに関する定期的調査が行われ、国と自治体にはいじめの通報、相談を受け付けるための体制が整備され、教育委員会と学校には一定の相談体制が整備されます。
 このようなことから、9月議会でいじめ防止対策基本方針検討委員会の運営費が補正予算に盛り込まれました。
 そこで、市の検討委員会の現状と今後の取り組みについてお伺いし、私の質問を終わります。

 

市長(田中幹夫) 中島議員の質問についてお答えをいたします。
 私からは、TPPの即時撤退に関する質問にお答えをし、いじめ問題につきましては、教育長から答弁をいたします。
 初めに、TPPの参加交渉についての見解について、先日の提案理由でも述べさせていただきましたほかにも、ことしの4月に衆参両院の農林水産委員会で、参加交渉に関する決議において、農林水産物の重要5品目などの聖域の確保を最優先し、それが確保できないと判断した場合は、脱退も辞さないものとするなど、8項目について採択した上で、現在も交渉が進められているものと思われますが、詳細について、国民に知らされていないのが現状でございます。
 ご承知のとおり、TPPの交渉については農業だけではなく、国民の食と暮らし、命にかかわる問題と強く認識をしており、特に主穀作を中心とした農業を営む南砺市においては、大きな影響が懸念されることから、引き続き農業における主要5品目については、関税の撤廃の除外対象とすること、国民の食の安全、安心及び食料の安定生産を確保すること等、ぶれない交渉を進め、進捗状況を広く国民に情報公開するなど、国民合意を強く意識して交渉に当たるべきと考えます。
 その上で、国益が守れない場合には、勇気を持って撤退する決意で交渉を進めるよう、県及び農業会議などの農業団体と連携をし、国に要請しているところでございます。
 次に、TPP参加による南砺市における全農産物と米の生産額、減収額及び減少率の影響についてお答えをいたします。
 TPP参加により、全ての関税が撤廃された場合、農林水産業への影響額、試算については、3月に政府統一試算が示され、この試算式によると、富山県では農林水産物の産出額は約300億円減少すると試算されております。
 この試算の前提としては、全ての品目で即時に関税を撤廃した場合を想定するものでございます。
 さて、議員の質問にあります南砺市の影響額につきましては、県の試算を参考に置きかえますと、TPP参加による南砺市における農産物の生産額はおおむね42億円程度で、28億円減少し、減少率は約40%と推定されます。
 そのうち主穀作である米は、県下一律の生産目標数量配分率であることから、減収率は県と同様35%と考えており、生産額はおおむね33億円で、減収額は18億円程度と推定されるところでございます。
 次に、経営安定対策や水田活用交付金、転作奨励金などの見直しについてお答えをいたします。
 アベノミクスの農政改革への見解については、片岸議員の代表質問にありましたコメ政策大転換への対応でお答えしましたが、米の直接支払い交付金が現行の2分の1、7,500円となり、平成29年までの時限措置となっております。
 農家の皆様にとって大変厳しい経営となりますが、平成26年度から新たに日本型直接支払制度が創設されるほか、主食米以外の飼料米や加工米等の拡充支援や地域の振興作物の取り組みを支援する産地交付金などの新たな支援策が予定されておりますので、これらの活用により、これまでの農業所得が確保できるよう、指導、助言に努めてまいりたいと考えております。
 また、国では支援の対象となる農家は、集落営農組織や認定農業者、認定就農者に対して実施する意向でありますが、平成26年度は現行どおり全ての販売農家、集落営農組織に対して実施されると伺っております。
 いずれにいたしましても、現時点では各事業の要領が示されていないことや今ほど申し上げましたとおり、平成26年産においては、経過措置も検討されておりますので、市といたしましては、現行の交付金制度や新たに創設、拡充される交付金等も活用しながら、農業経営に支障が出ないよう、関係機関と連携を密にしながら、早期の情報収集に努め、年明けから本格化する各地域での会議や座談会において、情報の提供や指導を行ってまいりたいと考えております。

 

教育長(高田勇) それでは、私からは、いじめ問題についてお答えします。
 まず、いじめ問題に対する基本的な考え方についてのご質問だったかと思います。
 いじめは、学校だけでなく、地域社会の問題として切実に受けとめ、児童・生徒が楽しく学び、生き生きとした生活が送れるよう、社会全体で支えるべき問題であると考えております。一人一人の命は何人にもかえられない大切な存在であり、いじめを生まない、いじめは許さないことを最重点に考え、学校、家庭、地域社会と連携しながら、いじめ防止や早期発見に取り組んでいく必要があろうかと思っています。
 万が一いじめが発見された場合には、被害者、加害者、そして傍観者がおれば傍観者、この三者への指導が必要になってくるかと思います。
 まず、第一に被害者が安心して学校生活を送れるよう、心のケアに努め、一刻も早くいじめをなくすよう努めるとともに、長期的な視野に立って見守っていく必要があろうかと思います。
 また、いじめた加害者に対しては、その要因がどこにあるのか、詳細に把握し、その要因を取り除きながら、二度と加害者にならないよう粘り強く支援を繰り返していくことが大切かと思います。
 いじめの傍観者につきましては、加害者にいじめをとめるよう説得することは、困難を伴うことも予想されますが、傍観者も加害者であることを機会のあるごとに指導していくことが大切だと思っております。
 次に、いじめ防止対策推進法、6月に成立したわけですが、この問題の中心は厳罰主義と道徳主義と思うがということで、その見解について私の考えを述べさせていただきたいと思います。
 議員ご指摘のとおり、第4条には「児童はいじめを行ってはいけない」と記されておりますが、この条項をもって厳罰主義と考えるのは適切かどうかわかりませんが、私は規範意識や社会の一員としてのマナーなど、人間として踏み外してはならないことをまず家庭教育でしっかりとしつけ、その後学校、社会で補完し合いながら、いじめは許されないことを教えていく必要性をうたった条文だと考えております。
 また、第26条の出席停止制度の適正な運用については、規範意識をはぐくむ指導やきめ細かな教育相談を繰り返し行っても改善が見られない場合のごく限られた措置であると考えております。
 万が一出席停止措置に踏み切った場合でも、この法には加害者が学校へ円滑に復帰できるよう、学習指導、あるいは学級担任によるきめ細かな家庭訪問等、行うよう求めております。
 こうしたことから、この法律は厳罰主義に基づいているものとは言いがたいものではないかなと、こんなふうに思います。
 また、道徳主義ということでの考えを述べさせていただきたいと思いますが、道徳主義という言葉は、教育用語としてはなじみの薄い言葉ではないかなと思っております。
 議員ご指摘のように、道徳教育を行ったから、いじめがなくなるわけでは決してありません。道徳の授業だけではなく、学校教育の全活動を通して行っていくことは言うまでもございませんが、また家庭、学校、地域社会等がおのおのの役割を明確にし、社会が一丸となって取り組むことにより、道徳教育の成果が上がるものと信じております。
 最後に、いじめ防止対策基本方針検討委員会の現状と今後の取り組みについてというご質問にお答えいたします。
 本市における子供いじめ防止対策につきましては、先月の定例会において、水口議員のご質問にもお答えしましたが、現状を踏まえた上で、改めて今後の取り組みについてご説明いたします。
 いじめ防止対策推進法は、本年6月に公布、9月28日に施行され、10月11日には文部科学省がいじめ防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するため、いじめ防止等のための基本的な方針を策定、公表しており、国の基本方針等を参考にして、南砺市子どもいじめ防止対策基本方針の策定を進めております。
 基本方針の策定に当たっては、教育委員会と小・中学校の校長、教頭の代表によって庁内に設置したいじめ防止対策プロジェクトチームにより、基本方針の素案の作成や取り組みの重点項目等の検討などの事前準備をほぼ終えております。この後、12月26日に第1回南砺市子どもいじめ防止対策基本方針検討委員会を開催し、基本方針の内容等につきましては、委員各位からご意見を伺う予定にしております。
 なお、第1回検討委員会の後、パブリックコメントを実施するとともに、2月上旬には市議会の皆様方に基本方針案の概要を説明させていただき、その後3月に基本方針を決定し、市民並びに関係者の皆様に周知するとともに、市及び各学校において、必要な対策を講じていきたいと考えております。
 いじめの防止対策につきましては、いじめの要因が複雑化しており、教育委員会と学校だけで問題を解決することが難しいケースも多くあります。
 いじめ問題は、先ほどからも何回も言っておりますが、いじめ問題は社会全体で取り組む重要課題であるという意識を持って、あらゆる方策を講じることが必要であり、今後の取り組みにおいては、家庭教育が担う役割が大変重要になるとともに、地域社会の理解及び協力も不可欠であると思っております。
 なお、基本方針検討委員会については、来年3月の基本方針の策定、公表によって役割を終えることとなりますが、平成26年度からは学校、教育委員会、児童相談所、法務局、警察等の関係者によって構成する南砺市いじめ問題対策連絡協議会を新たに設置して、いじめ防止等に関係する機関及び団体の連携を図るとともに、家庭や地域社会との協力を深め、社会全体で子供の健全育成に取り組んでまいりたいと考えております。

 

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