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民報NO.420 2015年3月

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「自治体消滅」論の狙いは何か?

南砺市は「消滅可能性都市」

 日本創成会議(座長・増田寛也元総務大臣)が2014年5月8日に発表した「ストップ少子化・地方元気戦略」(増田レポート)で、若年女性人口が2040年までに5割以上減少する自治体を「消滅可能性都市」(896自治体)、うち人口1万人未満の市町村を「消滅自治体」(523自治体)と名指しして自治体名を公表しました。そのうえで、「消滅」が避けがたい自治体では周辺にある地域拠点都市との連携をすすめ、その拠点都市に行政投資や経済機能の選択と集中をすすめるべきだとしました。

 この増田レポートを、マスコミはこぞってセンセーショナルに報道しました。そして、地方自治体の危機感を煽りながら、安倍内閣は「地方創生」を重点施策として打ち出しました。

 自治体を集約化し、都道府県を廃止して道州制を導入することは、第1次安倍内閣のときから、安倍首相が市町村合併の次に進めたかった政策です。

 「自治体消滅」論のもとで急浮上してきたのが、「地方創生」という政策です。「地方」は「中央」に対比した言葉です。中央政府からみた「地方」で、まさに上から目線の言葉です。「地方創生」は、今年春に予定されている統一地方選挙を意識したものです。

 「自治体消滅」の脅迫(ムチ)と、「地方創生」予算(アメ)をちらつかせながら、地方分権改革、地方行財政改革、TPP(環太平洋経済連携協定)の先駆けといわれる国家戦略特区、そして道州制の前提となる「自治体集約化(地方拠点都市など)」といった個別政策が一体のものとして方向づけられようとしています。

 日本共産党南砺市委員会提出の

2015年度予算要望に対する回答

 日本共産党南砺市委員会が11月28日提出した「2015年度南砺市予算編成に伴う要望書」に対し12月15日付で回答がありました。

 その一部を紹介します。

要望書提出

要望書の提出(11月28日)

 

問 10月より中学生の通院医療費が3割から1割負担となった。1割負担は負担の軽減であるが、悪い前例と懸念される。完全無料とせよ。また中学生の通院助成を償還払いとするのも後退であり、現物給付とせよ。

答 通院医療費の1割負担は、償還払いを採用することと併せて、保護者と中学生にコスト意識を持ってもらう機会と捉えている。

 中学生通院助成償還払いは、加えて、1割負担が健康保険法にじゅんずる負担割合と異なる市独自のものであり、医療期間窓口での混乱に配慮したものだ。

問 保育園の正規職員が削減され、代わって臨時職員で対応し、年々増加している。正規職員を増やし80%を目指せ。また時給の改善もはかれ。

答 保育園統合による減員の反面、入園児の低年齢化など保育ニーズの対応で増加している。今後とも計画的な採用など適正配置に努める。

問 志賀原発1号機直下の「S―1断層」、原発の北に位置する富来川南岸断層は、活断層である。2号機タービン建屋の直下を通る「S―6断層」も活断層と指摘されている。志賀原発の再稼働をせず、同原発の廃炉を求めよ。

市として独自に働きかける状況でない。国、県、立地市町村の状況判断や安全対策を慎重に判断し、進めるべきと考える。

問 利賀ダムの治水効果は少なく、ダムの湛水により地すべりが懸念される。利賀村住民は「ダムと道路は一体」と思い待ち望んでいる。工事用道路の早期完成と、仮に本体工事が着工されても、工事用道路を通行できるよう確約を取れ。

答 工事期間中の工事用道路の通行は、安全施設等の設置が万全でなく、一般車両の安全確保が難しく、大変厳しいと聞く。本格的な供用開始前であっても、災害等で孤立の場合、緊急車輌の通行については要望していきたい。

問 「空き家対策条例」が策定された。空き家の利活用とは別に、老朽空き家の解体促進をはかるため、更地にした場合の一定期間の固定資産税の軽減、あるいは解体工事費用の助成を検討せよ。

答 空き家を解体した場合に一定期間、固定資産税を軽減するといった、自治体独自の措置は考えていない。

 平成26年度に老朽危険空き家除去支援事業補助金交付要綱を制定した。助成金は、大正工事の2分の1とし、50万円を上限としている。

 問 平野部の全中学校に冷房施設が設置された。引き続き小学校でも計画的に設置せよ。

答 耐震化は、26年度末に100%となる。27年度までに非構造部材の耐震化を目指す。小学校の冷房設置は、28年度以降に学校や保護者の意見を参考に決定したい。それまでは、グリーンカーテンや扇風機で対応したい。

問 市内公共施設のトイレの洋式化を計画的に進め、小中学校でも洋式化を促進せよ。

答 学校施設では大規模改修等にあわせて、順次洋式化を進めている。障がいのある児童生徒の入学等にあわせて、障がい者対応トイレを設置している。小中学校と十分協議した上で、適切に洋式化を進める必要がある。

問 学校図書館司書を1校ごとに専任配置するとともに、配置時間の延長をはかるように。

答 今後は児童生徒の読書への興味・関心を高めるために配置時間数の延長も考えたい。

問 立野原監的壕が、文化財(史跡)指定された。今年度補正予算で調査費が付いた。特に福光地域の目玉監的壕の傷みが激しくなっている。十分な保存工事を実施せよ。

答 文化財を永く保存するため、指定後にコンクリート文化財建造物の修理専門業者に現況調査を依頼し、最適な修理方法の提案を受けた。

 保存修理工事は、傷みの激しい目玉監的壕(福光)を27年度中に、比較的状態の良い丸山監的壕(城端)は28年度に実施の予定である。                    

 袴腰 2015年度政府予算案は、消費税増税後の景気悪化で苦しむ国民に、社会保障改悪など負担の追い打ちをかける一方で、大企業減税や軍拡をさらにおしすすめるものである。総選挙が終わった途端に、「勝てば官軍」とばかりに、反国民的な政策を強行しようとする重大な予算案である▼安倍首相は「大企業をもうけさせれば国民も潤う」という破綻した“トリクルダウン”路線にしがみついているが、減税しても大企業の巨額の内部留保をさらに増やすだけであり、賃上げなどにつながる保証はまったくない▼与党の「安定多数」は、小選挙区制によって生じた「虚構の多数」にすぎず、国民は決して安倍政権に「白紙委任」をしたわけではない▼日本共産党は、予算の抜本的な組み替えを要求したたかう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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