南砺市新年度予算から
国保税・一般会計からの繰り入れについて
国保悪化の元凶は昭和59年に、国庫負担を「医療費」の45%から「給付費」の50%=「医療費」の38・5%に削減したことにあります。以来、国庫負担を元に戻すことを求めるとともに、一般会計からの繰り入れを求めてきました。
市では23年3月の段階でも「国保財政は国・県の負担金、補助金、市の法定繰り入れと加入者の保険税で賄うという基本原則を踏まえ、……一般会計からの法定外繰入による、国保税の軽減については現在のところ考えておりません」としていました。
国保の財政調整基金は、合併時の16年度末で6億5360万円ありましたが、23年度末には無くなりました。
そこで市は、24年度から国保税の大幅な引き上げとともに、一般会計からの新たな繰り入れを行いました。なお24年度に限り急激な税負担の緩和措置として、財源補てんを行いました。
予定された国保税の改定は、1人当り平均年額で1万8482円増、率で20・9%増となる10万6902円でした。なお24年度の財源補てん繰入金は5100万円で、1人当り1万0811円増、率で12・2%増の9万9231円としました。
1人当たりの法定外繰り入れ金は、23年度までは千円余りでしたが、24年度は1万1千円余、25年度からは7500円余となっています。
国保への一般会計からの法定外繰り入れは、全国的に見て特に富山県内では少ない状態です。「近隣の市町村の状況を参考にする」として、先頭を切って住民のためになる施策を取ろうとしません。
市が国保税の引き下げのために繰り入れを行ったことにより、近隣市でも「南砺市が行っている」として、一般会計からの繰り入れを行った市もあります。国保税の大幅な引き上げとともに行ったとはいえ、先進的な取り組みだったことは評価に値します。
目玉監的壕(福光)の保存修理に510万円
昨年4月、市の文化財(史跡)に指定された立野原監的壕の保存修理工事に、新年度予算で510万円が付きました。今年は傷みの激しい目玉監的壕(福光)を、来年度には丸山監的壕(城端)が予定されています。
昨年6月議会で監的壕の保存修理をはかるため、58万円の調査費が付きました。
党市委員会の新年度予算要望に対する回答で、コンクリート文化財建造物の修理専門業者に依頼し、最適な修理方法の提案を受けた。保存修理工事は、27年度中に目玉監的壕、28年度には比較的状態の良い丸山監的壕を予定しているとのことでした。
立野原に現存する2基の監的壕を「平和を希求するシンボル」として、長く保存したいものです。