主催 利賀ダム本体建設の再検討を求める会
やさしく わかる 学習会
利賀ダム建設の問題点
5月17日、高岡市内でやさしくわかる学習会「利賀ダム建設の問題点」(主催:利賀ダム本体建設の再検討を求める会)が開かれました。国土問題研究会事務局長の中川学氏が講師で、質疑や意見も交わされました。
平成21年11月、日本共産党富山県議会議員団が、国土問題研究会に「利賀ダム計画」の調査と庄川の治水対策の検討を依頼してきました。
国土研の専門家が何回にもわたり現地調査に来られ、そのつど学習会や報告会がもたれ、問題点の理解に努めてきました。25年3月に「利賀ダム計画(富山県)の問題点に関する調査報告書」が完成しました。
講演の報告要旨
①庄川河川整備基本方針及び整備計画の概要
②利賀ダムを中心とする庄川治水計画の問題
③利賀ダムの治水効果を過大に装っていることの問題
④利賀ダムが地すべり被害を拡大させる恐れが大きい
⑤庄川の治水対策の提案
治水の問題では、庄川流域面積が1189k㎡なのに利賀ダム集水面積が96k㎡と8%で効果は少ない。また利賀ダムの水位低下効果は基本方針でも万葉橋地点で45cmにすぎず、堤防の余裕高さに十分納まります。
主な地すべり対策工法
◆横ボーリング工
斜面から横方向に孔を掘り、地下水を抜く。
◆集水井工
井戸を掘り、その中から穴を何本も掘って、地下水を抜く。
直径35m 深さ10~40m
◆アンカー工
斜面に孔を掘って、中に鉄の棒やワイヤーを入れ、地面が動かないように縫いつけてしまう。
◆杭工
地面に鋼管杭を打ち、すべり面を貫いて串刺しにして、地すべりが動かないように止める。
◆排土工・押え盛土工
斜面の高い位置にある土砂を取り除く。末端に土砂を盛って抵抗する力を大きくする。
利賀地域で行われている対策工法は、横ボーリング工、集水井工、アンカー工です。大豆谷地区にある葛山は、地すべりによって移動した土塊の可能性があり、ダムで水没します。この小山が押え盛土工の役割をしています。杭工は、ありませんが砺波市(旧庄川町)落シ地区では16基設置されています。