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「ニュース」年金者組合 紅葉の利賀ダム見学

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「読者ニュース」2015年11月1日NO.187

全日本年金者組合南砺支部 秋の学習とレクリェーション

紅葉のとがダム見学 中島市議が案内

 10月24日、全日本年金者組合南砺支部(雨野勇夫支部長)は秋の学習とレクレーション「紅葉の利賀ダム・どーんと山祭り見学」を行いました。利賀ダムの見学では、中島満市議が案内しました。

 一行は、利賀ダムサイトの説明板・展望台で利賀ダムの現状、全体の問題点について説明を受けました。利賀ダムの問題点として、治水効果、地すべりの懸念、猛禽類への影響があります。

 ダム見学ということで、特に地すべりの懸念を中心に見て回りました。利賀地域の全地区が地すべり地帯です。利賀川の右岸は流れ盤で地すべりが起こりやすく、右岸に集落があります。左岸は受け盤で地すべりは起こりにくい地層です。

 大豆谷地区では、現在も地すべり対策工事が行われており、郵便局敷地の状況、そして集水井を見て回りました。

 次に、利賀(下村)で横ボーリングやアンカー工を見学しました。

年金者組合じすべり

主な地すべり対策工法

◆横ボーリング工   ◆集水井工   ◆アンカー工   

◆杭工   ◆排土工・押さえ盛土工

  地すべりと地名 

 平成21年11月、国土問題研究会の専門家3氏が利賀ダム建設予定地を初めて視察した際、ダム湖の上になる豆谷地区を車で通った。バス停の「豆谷」の看板を見てすぐに、「これは『ズッタン』だ」と言われた。ズの当て字として「豆」を付けたのだと。

「地震タテ横ななめ」今村遼平著

 古来、水生植物の茂った水気の多いところを「ぬ」という語で表した。そのあて字に「野」や「沼」が使われた。「ぬた」は山の中の湿地やそこが水田化された土地のことをいい、「野田」という字もあてている。

「災害列島日本の地盤を探る」前野昌弘著

 「高田」という地名は、「タカ」は「タキ」が訛った言葉で、「急な傾斜地」を表すとともに、地すべりが起きやすいことも表している。

■利賀村地域に野原姓が多いことはよく知られている。電話帳で個人名を調べると、全体で272名で、「野」が付く姓は47名(17.3%)、内「野原」が45名、「高」が付く姓は21名(7.7%)、内「高田」が10名で2番目に多くあった。

『崖天護』(てんがいをまもる)-とやまの砂防-  

          富山県土木部砂防課(H15.8作成)

地すべり危険個所の分布

 5ha以上の地すべりが発生する恐れがある箇所で、これにより人家10戸以上、河川、道路等に被害を及ぼす恐れのある箇所を地すべり危険個所といい、県内に198箇所あります。

 とりわけ、新第三紀層と呼ばれる、もろくて弱い粘土・泥岩や凝灰岩をはさむ地質に集中しています。また、県内には、地すべりが由来となった地名が数多くあります。

新第三紀層とは

 今から約2,500万年~200万年前の期間に作られた地層、当時は海面が現在よりも高く、海が内陸まで侵入していました。(=泥や砂がたまって泥岩・左岸となる)

 また、火山活動も活発で、降り積もった火山灰が固まって、凝灰岩となりました。

地すべりに由来した地名

【論田(ろんでん)地区「氷見市」】

 地すべりで、水田の境界が不明となり、論争となったのが由来。

熊無(くまなし)地区「氷見市」】

 地すべりで、水田の隈(くま)「区画」が無くなったので隈無(くまな)しとなり、のちに熊無(くまなし)となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

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