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民報城端NO.408 2014.3

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新年度予算概要の説明から

一歩前進 ◎中学生の通院医療費1割負担に

     ◎中学校(平野部)にクーラー設置

 2月14日、平成26年度当初予算の概要説明がありました。そのなかには、党南砺市委員会が要望し続けてきた問題で、前進をみたものもあり、紹介します。

中3までの通院医療費 完全無料化を求める

 南砺市の合併時の子どもの医療費無料制度は未就学児までで県下の先進自治体でした。20年度に市では10月より入院・通院ともに小学校3年生まで拡大するとしました。市内で、6年生までの無料化を求める署名運動が取り組まれ、6年生まで無料化されました。

 しかしそれ以降、他の自治体は対象年齢を拡大しましたが、市は拡大せず、最も遅れた自治体となりました。

 昨年10月より中3までの入院を無料化し、今年10月から通院について、3割負担を1割負担としますが、無料化すべきです。引き続き、中3までの完全無料化と、「所得制限」の撤廃を求めていきます。

中学校の普通教室と特別支援教室に設置

 23年夏、市内平野部の小中学校のPTA会長の賛同署名を添えて市議会と市長に、小中学校の普通教室にクーラーの設置を求める請願書が出されました。

 市議会では不採択となりましたが、市長は「26年度までは、耐震化を最優先とし、100%になった時点で学校や保護者の意見を聞き検討したい」とのことでした。

 25年夏、1162筆の署名を添えて要望書を提出した際、市長は「耐震化の目途がたった。市民の感情も違ってきている」と前向きな発言がありました。

 そして今年、平野部の中学校の普通教室と特別支援教室に一年前倒しで設置することとなりました。

 志賀原発と活断層

富来川南岸断層と原発直下の断層は連動 

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 志賀原発の直下と四方に活断層があります。昨年発行された著書、原発問題住民運動石川県連絡センターの児玉一八氏の「活断層上の欠陥原子炉志賀原発」と、新潟大学名誉教授立石雅昭氏の「地震列島日本の原発」(東洋書店刊『科学と人間シリーズ』5・7)から、志賀原発と活断層について紹介します。

 志賀原発の北約9kmの富来川南岸断層が活動すれば、原発直下の断層(S―シーム)も連動して動き、原子炉建屋などに深刻な影響をもたらす危険がある。

 原発の耐震安全性に関しては今から13万~12万年前頃に堆積した海の砂が、現在どれほどの標高にあるのかが問題となる。海成段丘の内縁にあたる旧(てい)(せん)(海岸線のこと)は、海岸地域における上下変動を示す重要な地形である。

 同じ時代に形成された旧汀線が、現在では異なった高度に分布していれば、それは海岸域で地殻の上下変動が起こったことを示す指標となる。約12万年~13万年前の最終間氷期最盛期に形成された海成段丘は、各地で普遍的に見られており、M1面(よく発達する中位の段丘面のうちの主要な面)と呼ばれる。

 渡辺満久・東洋大学教授らは2012年5月、富来川南岸断層が、原発の耐震安全性を検討する際に考慮する必要のある13万~12万年前以降に動いた活断層である可能性が高いことを、日本地球惑星科学連合の年次大会で発表した。

 渡辺氏らはM1面の標高に注目し、原発周辺では約20mであるのが北に向かって高くなって、原発の北約5kmでは約50mになるが、原発の北約9kmの富来川北岸では20mと急に低くなっていることを明らかにした。このようなM1面の高さの違いをもたらした原因は、富来川南岸断層が過去に繰り返し発生した地震である。

 M1面はこれまで、地形図から読まれたものだったが、富来川南岸断層の活動を実証するためには、13万~12万年前に堆積してできたM1面を実際に確認することが必要になる。 

富来川南岸断層

 児玉一八氏ら原発問題住民運動石川県連絡センターと日本科学者会議石川支部は、立石雅昭氏(新潟大学名誉教授)と2012年に予備調査と3回にわたるボーリング調査(左図)を行い、実証された。

 渡辺・鈴木氏は(2012年)、海域の地形をもとに、この富来川南岸断層が富来川の河口部で屈曲し、原子力発電所敷地沖合に連続する可能性を指摘した。

 原子力安全・保安院は福島原発の苛酷事故を受け、既設原発についてその耐震安全性を見直してきた。2012年7月17日「第19回地震津波に関する意見聴取会」において、志賀原発の敷地内断層(S―1シーム)についても北陸電力からの説明を受け、その活動性に関する審議が行われた。

 原子力安全・保安院は、志賀原発の敷地内断層についても専門家による現地調査をあらためて実施することとした。また、2013年3月、住民団体は、敷地東方約1kmにある受堤北岸の断層露頭も調査した。

 北電は、13万~12万年前の温暖期に土塊化が進行した堆積物に、断層活動の影響は認められないとした。

 地震を引き起こしうる活断層の活動年代の目安を40万年とする地震調査研究推進本部の考え方に沿えば、原発の東約1kmの福浦(ふくら)断層も活断層である。

 

 袴腰 12月議会で「南砺市議会基本条例」が制定され、4月1日から施行される。6月議会で特別委員会が設置され、協議し9月に自治振興会と意見交換会、11月に市民説明会、そしてパブリックコメントを求めてきた▼議会報告会の開催、一問一答方式、市長の反問権、広報公聴会の充実など、積極的な意義もある▼「広く市政上の論点及び争点を明確にするため一問一答方式で行うことができる」としている。今の一括質問一括答弁でも、論点を明確にできる。議会終了後の北日本新聞の「論戦を振り返って」で「『課題に踏み込まず現状確認』『ポイントが絞り切れていない』『施策の課題を問う』という質問では、条例で打ち出された理想は実現できない」と▼「仏作って魂入れず」とならないことが何よりも大切だ。

 

「民報城端」No.408 2014年3月(→こちらをクリックすると紙面がご覧になれます)

 

 

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