2014年6月定例市議会 一般質問
◎地方交付税の一本算定による減額 ◎介護保険制度の見直しの問題点
について質問しました。
6月定例市議会は、6月6日から24日までの会期で開かれました。今回からこれまでの一括質問一括答弁方式、または一問一答方式の選択で行われました。
なかしま満が12日に行った一問一答での質問の要旨を紹介します。
算定見直しで(地方交付税 )が半分になる内訳は
なかしま 合併10年後から始まる国からの地方交付税の一本算定による減少額は、当初25億円程と見込んでいたのが、25年度試算で39億円の減少となった理由は何か。
市長 普通交付税の算定は、毎年基礎となる単位費用が変更されるとともに、国の政策などにより項目自体に追加・変更が加えられる。南砺市では近年算定替えが有利に作用しており、差が大きくなってきている。別枠加算、特例加算が積み重なり減少額が大きくなったと考えられる。
なかしま 合併による一本算定の見直しは、旧市町村役場を支所とみなし、職員人件費、維持管理費で1・7億円、地域振興関係経費等、周辺部のコミュニティー維持費や地域活性化、特産品振興として0・7億円程度を想定している。市では39億円から19億5千万円の減少額になるとしている。支所機能の経費、人口密度、面積など、新方式の内訳の試算はどれだけか。
市長 標準的な合併市では、減少額の36・5%が理論上加算され、市では14億2千万円と試算される。市は支所数も多く、行政区域が広大、人口補正、支所までの距離補正など、全国ベースよりも加算率が多く想定される。具体的な算定内容、金額は示されていないが、減少額の半分程度の措置を期待し、シミュレーションを行った。
要支援者排除、特養ホーム「要介護3」以上に対する見解は
なかしま 介護保険制度の見直しにより、要支援者が利用している予防給付サービス全体の6割を占める訪問介護、通所介護を予防給付から切り離し、市町村へ移行させる。財政力やボランティアなどの事情により、サービスに格差が生じる。全国一本の制度であるにもかかわらず、住んでいるところによって受けられるサービスが異なる不平等の拡大が懸念されるが、どう考えるか。
また、特別養護老人ホームへの入所を「要介護3」以上とすることへの見解を問う。
仲筋 地域包括医療・ケア局長 要支援者に対するサービスを市町村事業に移行するのは、ニーズが多種多様であり、全国一律のサービス形態よりも、地元の実情に応じたサービスを提供できる形態がのぞましく、懸念は当らないと考える。
特養を「住宅生活が困難な中・重度の方を支える施設としての機能に重点化」し、真に入所が必要な方に利用していただくと同時に、重度になっても地域で暮らせる体制づくりに貢献するという考えにもとづく。
南砺市での指定第1号 昭和期の「戦跡」の指定は県内初
立野原監的壕を文化財に指定
4月9日市教育委員会は、立野原監的壕を南砺市指定文化財(史跡)とすることを決めました。立野原に現存する城端地域の丸山監的壕と福光地域の目玉監的壕の2基です。なお、南砺市になってからは文化財の指定はこれまでに無く、今回の指定が初めてとなります。また、昭和期の「戦跡」の文化財指定は県内でも初めてです。
平成8年に原爆ドームが世界遺産登録されました。これに先立ち、7年に文化財保護基準が改正され、明治中期までから太平洋戦争終了時までを対象にしました。
戦争遺跡保存全国ネットワーク(長野市)のアンケート(H13年)に、県はA級が1件で黒部市生地の台場(県文化財指定)、B級は2件で、立野原の2基の監的壕、そしてC級は0件としています。
なかしま満議員と市平和委員会では、「平和を希求するシンボル」として、議会での一般質問など粘り強く指定を求めてきました。
6月議会で補正予算に「文化財保護費」として58万円が計上されました。監的壕の経年劣化が進み早急に保存修理が必要であり、最適な保存修理方法を検討するための調査委託料です。
南砺市指定文化財調書
指定名称 立野原監的壕(たてのがはらかんてきごう)
種 別 史跡
員 数 2基
通 称 目玉監的壕(めだまかんてっこう) 丸山監的壕(まるやまかんてっこう)
所在地 南砺市立野原西3300(福光地域) 南砺市立野原東丸山1769-6(城端地域)
指定面積 643㎡(1筆) 370㎡(県道城端嫁兼線西側)
土地所有者 南砺市 南砺市
監的壕所有者 南砺市 南砺市
管理者 南砺市 南砺市
(協力団体:東太美自治振興会)
構造形式 半地下式コンクリート製 地上式コンクリート製
円筒形、ドーム屋根 円筒形、ドーム屋根
導入路付き 内部ベンチ付き
規 模 外径4.2m、内径2.27m 外径6.0m、内径4.0m
高さ3.95m、導入路4.59m 高さ3.87m
建築年代 昭和3年(1898)頃 昭和10年代(1935~44)
説 明 明治31年(1898)11月、金沢に砲兵装備を有する第九師団が設置された。陸
軍省はその射撃演習場として立野原に着目し、翌32年5月から当時の南山田・
太美山・東太美各村にまたがる一帯を買収して「立野原陸軍演習場」を設置し
た。
演習場では実弾射撃訓練が行われ、特に砲兵の実弾射撃は、飛野(現南砺自動
車学校のあたり)を拠点とし、丸山周辺を着弾地としていたので、砲弾の的中
であなコンクリート製に改修されたようである。
をに物語る遺構として貴重な存在である。
文化財指定の取り組みについて
H22年 6月 市長「南砺市平和都市宣言」
7月 市平和委員会「立野原監的壕の史跡指定の要望書」提出
11月 戦跡ネットワークアンケート(H13)
県A1(黒部の生地台場)、B2(城端の監的壕・福光の監的壕)、
C0と回答
H23年 3月 議会一般質問で「文化財指定」を質問
4月~11月 有識者と「旧東太美役陸軍関係文書」調査
5月 県に「監的壕の県文化財指定」を要望
H24年 1月 文化財指定と演習場の調査(文献・測量等)を専門家に依頼する
よう要望
1月 石川県内灘町の米軍試射場施設跡視察
9月 一般質問「旧東太美村役場立野原演習場関係文書」のDVD保存を
要望
H25年10月 南砺市文化財保護審議会開催 監的壕の指定を議題に現地視察
H26年 3月 文化財保護審議会が指定を可とする
4月 教育委員会が指定を告示
監的壕 講演と見学のつどい
監的壕が市の文化財(史跡)指定となったのを受け6月7日、市平和委員会はJAなんと東部支店で「講演と見学のつどい」を開催。なかしま満市議が「指定にむけての取り組み」、高岡市在住の藤本一夫氏が「『旧東太美村役場立野原陸軍砲兵演習場関係文書』から」と題して講演。その後、二つの監的壕を見学しました。
6月議会を振り返って
4月から南砺市議会基本条例が施行された。6月議会から一般質問にこれまでの「一括質問一括答弁」か「一問一答」方式かを選択することになった。
私ははじめて「一問一答」方式で質問をおこなった。条例では「論点及び争点を明確にするため、一問一答の方式で行うことができる」としているが、それは質問の観点・質であるが、傍聴者にとっては、分かりやすかったことは確かと思われた。
議会改革は、市民への情報公開・発信、説明責任を図り、身近な議会を目指すことにつきる。