福井地裁 大飯原発再稼働 差し止め
『司法は生きていた』講演会 原発ゼロをめざす市民の会・高岡
7月19日、原発ゼロをめざす市民の会・高岡主催の講演会「『司法は生きていた』~大飯原発差止判決 その意義と道のり~」が高岡市内で開かれました。
講師は大飯原発差止訴訟弁護団の吉川健司弁護士で、福井地裁における訴訟の経過、判決概要、判決の特徴、今後の見通しなどについて、くわしく説明がありました。
画期的判断の意義
5月21日、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働指し止めを求めた訴訟で、福井地裁は、2基について「運転してはならない」と言い渡しました。東京電力福島第1原発事故後、運転差し止めを命じた判決は初めてです。
人格権が最優先
判決のキーワードは「人格権」です。判決は、人格権が人命を基礎とし、日本の法制上で最優先されていると述べています。「国民の命と暮らしを守ること以上に大切なことはない」という立場に立って、再稼働ストップの判定を下しました。
また、判決は大飯原発から250㌔圏内の住民は、運転によって人格権が侵害される具体的な危険があるとしています。
南砺市は志賀原発から50㌔から70㌔の範囲にあります。
本質的に危険
日本共産党は、〝原発には他の技術にない「異質の危険」がある、ひとたび事故が起きれば被害は時間的にも空間的にも際限なく広がる〟と主張してきましたが、同じ論理が司法によって下されたのは大変重要です。
安全神話を断罪
裁判で被告の関電は基準地震動を700ガルとし、「1・8倍の1260ガルまで耐えられ、基準地震動を超える地震が大飯原発に到来することは、まず考えられない」と主張しました。
これに対して判決は、日本で「記録された既往最大の震度は岩手宮城内陸地震(08年)の4022ガルだ」などの事実を挙げて反論しました。判決は、原発『安全神話』に対する司法による峻烈な断罪の判定です。
コスト優先拒否
電力各社は、「原発を再稼働すれば、コスト低減につながる」としていますが、判決は、国民の安全よりもコストを優先する考え方をきっぱり退けました。
安倍政権は、この判決を重く受け止め、大飯原発はもとより、全国の原発の再稼働を断念すべきです。
「志賀」差し止め訴訟の現状学ぶ 富山 7/16付日刊「しんぶん赤旗」より