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議会報告2014年9月

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2014年9月定例市議会 一般質問

教育委員会「改正」法  住宅リフォーム制度 について質問しました。

 9月定例市議会は、9月1日から18日までの会期で開かれました。なかしま満議員が8日に一問一答方式で行った一般質問の要旨を紹介します。

 侵略戦争美化の「愛国心」 競争主義の「全国学力テスト」

9.8一般質問

 

なかしま  政治権力による教育内容への介入・支配は許されない。教育委員会は「君が代・日の丸」に見られるように国の教育方針を押し付けられてきた。しかし、独立した行政機関だからこそ、橋下大阪市長の思想調査の実施を許さず、また、島根県松江市の教育長が漫画「はだしのゲン」を図書館から撤去させた時、決定を取り消した。

 

 教育委員会を国と首長の支配下におく「教育委員会『改正』法」についての見解を伺う。

 

市長  新制度では教育長と教育委員長を統合した新教育長に一本化され、責任の所在が明確になる。今後、「総合教育会議」の場で、市長と教育委員が協議・調整を行うが、最終的な権限は教育委員会が持つ。教育委員会の自主性・主体性は確保できる。 

 

なかしま  安倍首相は、靖国神社参拝を行うなど、過去の侵略戦争を肯定・美化する立場に立ち、戦後教育を敵視し、日本の教育を侵略戦争美化の「愛国心」で塗り替えようとしている。

 

 今日の国際社会は、日本、ドイツ、イタリアが行った戦争は、いかなる大義もない侵略戦争だったという共通の認識の上になりたっている。侵略戦争美化の「愛国心」教育につていの見解は。

 

 また、全国学力テストは平成19年、第一次安倍内閣が43年ぶりに小学6年生と中学3年生全員を対象に行った。「点数競争で教育をゆがめ、学力向上に役立たない」と批判を受け、22年から約3割の学校を抽出して実施し、昨年から全員対象に戻った。

 

 異常な競争主義を持ち込む「全国学力テスト」に対する見解を伺う。

福野小学校

福野小学校

 

高田教育長  市では偏狭な愛国心は学校現場に持ち込まれてはいないし、今後とも持ち込むべきではないと考える。

 

 全国学力・学習状況調査は、競争意識をあおるものではなく、各校が児童生徒一人ひとりの学習の理解度をチェックし、授業力や指導力向上への指針として活用している。今後

 

とも指導の改善に役立てていきたい。

 

 商店版リフォーム制度導入の検討を

 

 なかしま  内閣府が発表した4~6月期の国内総生産・GDP速報値では、実質で前期比1・7%減、年率換算で6・8%減の大幅な落ち込みだった。個人消費が前期比5・0%、年率換算18・7%、中でも住宅投資は前期比10・3%減となっている。

 

 消費税増税による駆け込み需要が発生したと思う。増税後の買い控えが心配される。住宅関連の影響はどうか。

 

建設部長 駆け込み需要等により25年度上半期新築住宅着工件数は、全国的には前年度同期比12・7%増、県内では23%増。消費税引き上げ後の国、県内の数値は把握できないが、市の4月から8月末までの5カ月間の件数は、25年度72件、本年度55件、24年度44件で、駆け込み需要の反動による影響は現れていないと思われる。

 

なかしま  住宅リフォーム助成制度を平成25年度に実施した自治体は全国628自治体にのぼる。市として住宅リフォーム助成制度導入の考えはどうか。

 

 群馬県高崎市で、「まちなか商店リニューアル助成事業・商店版リフォーム制度」を導入し、地元中小業者や経済団体の評判を呼んでおり、全国から注目されている。商店のリフォームと限定しているが、導入を検討せよ。

 

市長  これまで取り組んできた措置を継続して取り組む。

 

 また、3世帯同居推進リフォームの助成制度を新たに創設する。

 

 24年度に商工会から要望があった。現在(仮称)「中小企業・小規模事業者等基本条例」策定の作業を進めており、総合的な支援を検討したい。

 市内老人クラブ賛同署名添えた

「公共施設のトイレ洋式化求める請願」趣旨採択に 

 全日本年金者組合南砺支部(三宅秀正支部長)が9月定例市議会に、「南砺市公共施設のトイレの洋式化促進を求める請願書」を提出しました。請願書には市内8地域の老人クラブ連合会の会長のみなさんらの賛同署名も添えられていました。

 請願書は総務文教常任委員会に付託され、12日審査され、市議会最終日の18日の本会議で採決が行われ、趣旨採択ということとなりました。

採決

本会議での請願書の採決(9月18日)

  高齢者をはじめ、市民が健康な日常生活を送る上で、散歩、レクリェーション、会合や催しに出かけることは大切なことです。その際、公共施設内トイレが、快適に利用できることは欠くことのできない要件です。

 近年、生活様式の変化に伴い、家庭でも和式から洋式トイレへ変わりつつあります。平成21年の全国消費実態調査では、富山県の世帯当たりの温水洗浄便座の普及率は81・9%に上り、都道府県1位です。また、県内で整備される小中学校のトイレは、和式から洋式中心に移行しており、南砺市でも校舎の改築や改修工事により洋式化が進んでいます。

 このような趣旨で、市内公共施設のトイレの洋式化を進めるとともに、小中学校でも計画的に洋式化をお願いするというものです。

 年金者組合の皆さんは、請願書の提出にあたって、市内8地域の公共施設78カ所の現状調査を行い、また、教育委員会が調べた市内小中学校の状況も踏まえ、市内8地域の老人クラブ連合会全ての会長のみなさんらの賛同署名を添えて提出しています。

 賛同署名をお願いした際、会長のみなさんから「大変良い事だ。ぜひ洋式化をお願いしたい」と快く激励を受けたとのことです。また、市内の公衆トイレの状況調査では、「新しい施設は洋式化が進んでいるが、従来からの施設はまだまだだった」とのことでした。

議会での請願審査の経緯

請願の趣旨・現状調査を踏まえ

 請願書は、12日の総務文教常任委員会に付託され、審査されました。

 

学校のトイレの様式 (教育委員会調べ) H26.4.1
  男子便所 女子便所
和式 洋式 洋式化率 和式 洋式 洋式化率
大便器 大便器 大便器 大便器
  城端小 14 14 100.0% 36 36 100.0%
  新・上平小 100.0% 0 18 18 100.0%
  利賀小 66.7% 40.0%
井波小 13 20 35.0% 37 43 14.0%
井口小 100.0% 14 64.3%
福野小 15 21 71.4% 43 49 87.8%
  福光南部小 57.1% 15 18 83.3%
  福光中部小 14 64.3% 21 29 27.6%
  福光東部小 10 70.0% 17 25 68.0%
  小学校計 31 73 104 70.2% 83 154 237 65.0%
  城端中 10 30.0% 26 29 10.3%
  平中 100.0% 13 13 100.0%
  利賀中 100.0% 50.0%
井波中 13 18 27.8% 27 11 38 28.9%
井口中 11.1% 11 12 8.3%
福野中 12 13 92.3% 24 29 82.8%
  福光中 10 14 28.6% 28 37 24.3%
  吉江中 13 38.5% 25 33 24.2%
  中学校計 47 38 85 44.7% 124 71 195 36.4%
小中学校計 78 111 189 58.7% 207 225 432 52.1%
小中男女計 285 336 621 54.1% 多目的便所(35)は洋式化率100%

 

 委員長は、請願書には小中学校での洋式化も入っており、学校での基本的な考えをまず聞きました。

 部長から、市内9小学校、8中学校全体の状況が報告され、56%となっている。また、新しい学校では100%になっており、今後もバラツキはあるが洋式化を進めたいと報告がありました。

 その後、委員から公共施設でも新しい所は洋式化が進んでいる。老人クラブ連合会の署名もあり、大事な問題だ。当局も公共施設の調査をし、計画を立てて取り組んでもらいたい。全部を一斉にというのは難しいが、実施の方向で、趣旨採択ではどうか。という意見が出されました。

 議会事務局長から、趣旨採択について「通常、不採択にできないもので、当分の間不可能な場合」に用いることもある旨の説明があり、採決が行われ、全員が「趣旨採択」ということに賛成しました。

 本会議では、中島議員が趣旨採択ではなく、キッチリと採択するよう求め討論に立ちました。採決の結果は中島議員以外の賛成多数で趣旨採択となりました。

 年金者組合南砺支部

市長にも洋式化を要望

トイレ要望

市長への要望書提出(8月22日)

 年金者組合南砺支部では8月22日に、請願書と同趣旨の要望書を市長にも提出しています。提出の際、市長は「洋式化は観光の面からも大切である。また、洋式化の傾向にあり、計画的に進めたい」と答えられました。

この9月議会に提案された議案の一般会計の補正予算に、来年4月から井波交通広場で、駐車料金を徴収するにあたり、チケット発券機の設置と、公衆トイレの改修工事が行われます。また、来年4月から井波総合文化センターが指定管理となり、トイレを和式から洋式に8箇所改修します。さらに、井波中学校体育館大規模改修工事において、和式便器の洋式化、多目的トイレの設置も行われます。

 議会が請願を採択すれば、市が市民の要望に応え、暮らしの改善をはかるのを後押しし、施策を促進することとなります。

なぜ紹介できぬ?

請願と陳情の違い  

 請願書の紹介議員はなかしま議員一人ですが、請願者が自民クラブの代表、なんと市民の会の代表に紹介議員のお願いをしたところ、「良いことだが請願ではなく、陳情として提出できないか」ということで、紹介議員にはなっていただけなかったとのことです。

 市民が市政に対する要望や希望を述べる手段としては、請願と陳情があります。請願には紹介議員が必要ですが、本質的な違いはありません。しかしその取扱いには大きな違いがあります。請願は、請願文書とその審査結果が会議録に明記されます。陳情では議員に件名、提出者と要旨が配布されるのみです。

「趣旨採択」というのは、確かに採択の一つかとは思われますが、請願書では「計画的な促進を求めている」のであり、当然ハッキリと採択すべきです。

9月議会を振り返って 

 「公共施設のトイレの洋式化促進を求める請願」が趣旨採択となった。紹介議員は私1人だったが、自民クラブの代表、なんと市民の会の代表にお願いしたという。内容は「良い」が、「請願ではなく、陳情で出せないか」と紹介を断られたと。

 市民が市議会に要望を届ける手段として請願と陳情がある。請願には紹介議員が必要であり、陳情と請願では取り扱いに違いがある。提出の仕方が違っても「請願だから、陳情なら」という理屈が通らない。ハッキリと採択すべきだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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