『侵略戦争美化する教科書』採用するな!
市平和委員会が市教育委員会に要請書
7月3日南砺市平和委員会(代表三宅秀正)は、南砺市教育委員会(渡邊美和子委員長・高田勇教育長)に「教科書採択に関する要請書」を提出しました。高田教育長が対応し懇談しました。この要請には中島満市議も同席しました。
要請の内容は一つです。
来年度より南砺市内の中学校で使用される社会科教科書の選定にあたっては、侵略戦争と植民地支配を美化し、平和憲法を攻撃し海外派兵と改憲を主張する育鵬社と自由社の「歴史教科書」、育鵬社の「公民教科書」を採用しないでください。
教科書の記述は、時の政府に都合のいいものにするのではなく、子どもたちが基本的な知識を学び、幅広い視点から考えを深められるものにすべきで、執筆者・出版社の自主性が大切にされなければなりません。
文部科学省は4月6日、来年4月から使われる中学校教科書の検定結果を発表しました。
昨年、文科省は社会科の検定基準を改定し、①未確定な時事問題で特定の事柄を強調しない。②近現代史で通説的な見解がない数字などの事項については、通説的見解がないことを明示する。③政府の統一見解や最高裁判決がある場合はそれらを踏まえた記述にするとしました。
今回の検定は、韓国の元「慰安婦」の証言について全面的に削除させ、「『慰安婦』問題について強制連行を直接示す資料は発見されていない」との政府見解を書き込ませました。また、関東大震災のときに虐殺された朝鮮人の人数が、「通説的見解でない」と書き直されました。
特に、育鵬社と自由社の「歴史教科書」は、侵略戦争を美化し、「自存自衛」「アジアの解放者」と描き、東京裁判を「勝者の裁き」とするなど、誤った認識を持ち込むものです。育鵬社の「公民教科書」は、戦前の大日本帝国憲法は高く評価する一方、現行憲法を敵視し、改憲へ誘導しています。
安倍政権による教科書統制のおおもとには「日本は正しい戦争をやった」という歴史認識があり、それは「戦争法案」など「戦争する国」づくりに連なっています。
日本の過去の誤りと誠実に向き合い、その反省の上に平和と民主主義を理念とする憲法があることを学ぶことは、子どもたちが主権者として育つために不可欠です。
こうした趣旨からの要請です。