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民報城端2015年8月NO.425

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『侵略戦争美化する教科書』採用するな!

市平和委員会が市教育委員会に要請書

居絵カ所要請

 7月3日南砺市平和委員会(代表三宅秀正)は、南砺市教育委員会(渡邊美和子委員長・高田勇教育長)に「教科書採択に関する要請書」を提出しました。高田教育長が対応し懇談しました。この要請には中島満市議も同席しました。 

 要請の内容は一つです。

来年度より南砺市内の中学校で使用される社会科教科書の選定にあたっては、侵略戦争と植民地支配を美化し、平和憲法を攻撃し海外派兵と改憲を主張する育鵬社と自由社の「歴史教科書」、育鵬社の「公民教科書」を採用しないでください。 

教科書案内

 教科書の記述は、時の政府に都合のいいものにするのではなく、子どもたちが基本的な知識を学び、幅広い視点から考えを深められるものにすべきです。

 文部科学省は4月6日、来年4月から使われる中学校教科書の検定結果を発表しました。

 今回の検定は、韓国の元「慰安婦」の証言について全面的に削除させ、「『慰安婦』問題について強制連行を直接示す資料は発見されていない」との政府見解を書き込ませました。また、関東大震災のときに虐殺された朝鮮人の人数が、「通説的見解でない」と書き直されました。

教科書

 特に、育鵬社と自由社の「歴史教科書」は、侵略戦争を美化し、「自存自衛」「アジアの解放者」と描き、東京裁判を「勝者の裁き」とするなど、誤った認識を持ち込むものです。育鵬社の「公民教科書」は、戦前の大日本帝国憲法は高く評価する一方、現行憲法を敵視し、改憲へ誘導しています。

 日本の過去の誤りと誠実に向き合い、その反省の上に平和と民主主義を理念とする憲法があることを学ぶことは、子どもたちが主権

者として育つために不可欠です。 こうした趣旨からの要請です。 

教科書1

 教科書2

 

 

 

 

 

 

『小中一貫教育』の制度化は 統廃合を推進し、「中1ギャップ」解消せず

 市議会自民クラブでは、「学力向上や中1ギャップ緩和等に効果がある小中一貫教育の取り組みを積極的に推進する」ことを市への政策提言や、代表質問で取り上げています。

3月に作成された「南砺市教育振興基本計画」でも、『小中連携事業』の推進を掲げています。また、7月の全員協議会に「総合教育会議」の報告があり、「小規模校における小中一貫教育の導入について具体的に検討していく」としています。そこで「小中一貫教育」制度化について考えてみました。 

 今年3月、政府は小中一貫教育をおこなう「義務教育学校」を制度化する学校教育法改正案を閣議決定しました。

 「小中一貫教育」の制度化には、三つのねらいがあります。一つは、学校統廃合です。財務省からは全国600校を廃止する試算も出され、統廃合を進めるための強力なテコになります。

 二つ目は、現行の「6・3」制を改変して競争主義を強め、平等な公教育制度を解体します。文科省は、「質の向上」を自治体に求めており、普通の学校との格差が生じることを想定しています。

 三つめは、小学校から英語教育や職業教育など財界が求めるカリキュラムを取り入れ、国際競争力強化に貢献する人材の育成です。ただし、「エリート校」創設はごく一部で、多くは統廃合のために利用される可能性が大です。 

 「小中一貫教育」は、中学1年からいじめや不登校などが増えるという「中1ギャップ」について、学年の区切りを変えることによって解消するとしています。しかし、「中1ギャップ」は、中学校進学時の過度な管理教育、競争教育によって生じるものです。

【岩波書店刊・安倍「教育改革」はなぜ問題か・藤田英典著】より

いじめ・不登校グラフ

 図上の「学年別いじめの認知件数」で、中1が小6より1万件増加しているのを「中1ギャップ」というが、小1から最も多い中1を線で結ぶと、小5はやや少なく、小6は著しく少ない。

小4前後から思春期・青年期前期の難しさを抱え、中1でピークに達する。小5と小6で少ないのは、上級学年・最上級学年という自覚と、自己制御することになる。

図下の「学年別不登校児童生徒数」でも同様の指摘ができる。「中1ギャップ」と言われる小6から中1への大幅増は説明できても、中1から中2への大幅増は説明できない。

中学校では学力・能力や魅力・人気の競い合いも強まり、さらには学校内の規律・統制も強まっていく。そうした「中学校文化」の影響が中1よりも中2・中3へと学年が上がるにつれつよくなり、特に中2でその影響がより深刻になると考えられる。 

【中1ギャップ】:中学校への進学時に学習や生活の変化になじめず、問題行動となって    表れること。

【小中連携型教育】:小中学校が情報交換や相互交流を行い、円滑な接続を目指す教育。

【小中一貫教育】:義務教育9年間を通じた教育課程を編成し、系統的な学びの場をつくり出す教育。

 袴腰 日本の終戦記念日は8月15日。終戦直後の新聞では9月2日を「降伏の日」「敗戦記念日」と書いていた▼昭和27年4月講和条約発効の折、内閣主催で「全国戦没者追悼式」を行う。38年池田内閣は8月15日に政府主催で「全国戦没者追悼式」を閣議決定▼8月15日となった理由ははっきりしないが、玉音放送があった日、しかも旧盆にあたり、死者の魂を供養する日本的な風習に合致していたと思われる。9月2日という降伏の日、敗北を認めることになった日の記憶が薄れる▼57年に「戦没者を追悼し平和を祈念する日」と決め、事実上、終戦記念日と見なされ、戦没者の追悼と平和祈念の日となった▼誰もが異を唱えられない大義名分を掲げて、「敗戦と言う記憶」をすりかえた。(佐高信の昭和史から)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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