読者ニュース2016年4月3日NO.197
3月定例市議会予算特別委員会
いわゆる『下流老人』について 【生活保護】・【介護保険】
3月定例市議会の予算特別委員会が9日開かれました。なかしま満議員は、いわゆる『下流老人』の問題について質問しました。
【下流老人】 生活保護基準相当で暮らす高齢者。指標として①収入が著しく少「ない」②十分な貯蓄が「ない」③頼れる人間が「ない」《藤田孝典聖学院大学准教授の造語》
◎【生活保護】について
《なかしま議員》
市民の暮らしの状況は、就学援助に表れている。生活保護に変化はない。家族意識だけでは説明しきれない。どう捉えているか。
《杉村民生部長》
生活保護の適用は預貯金や生命保険の解約などが必要。就学援助は扶養義務者の前年度収入が基準であり、人数に大きな変化が表れにくいと思われる。
《なかしま議員》
持ち家であれば、処分しなくてもいいように緩和されてきたことを、十分市民に周知されているか。また、医療や介護の費用に限っての支給についてはどうか。
自助・共助だけでなく、公助が何よりも大事と考えるが、見解は。
《杉村民生部長》
福祉の相談では、常に相談者の立場で進めるよう心がけている。
生活保護が適用されても年金等の収入があれば最低生活費から控除され、生活扶助費は支給されず、必要により医療費扶助や介護扶助のみが適用される。
生活保護は最後のセーフティーネット。経済的自立と社会的自立が相互に充実することが重要と考える。
生活保護・就学援助の推移 | ||||||
区分 | 生活保護(年度平均) | 就学援助(準要保護者数) | ||||
世帯数 | 人員 | 保護率 | 小学校 | 中学校 | 小・中 計 | |
H17年度 | 48 | 62 | 1.05% | 57 | 33 | 90 |
H18年度 | 40 | 48 | 0.84% | 86 | 42 | 128 |
H19年度 | 36 | 42 | 0.73% | 107 | 59 | 166 |
H20年度 | 34 | 40 | 0.70% | 109 | 70 | 179 |
H21年度 | 34 | 42 | 0.76% | 128 | 84 | 212 |
H22年度 | 38 | 50 | 0.91% | 108 | 90 | 198 |
H23年度 | 41 | 53 | 0.98% | 115 | 89 | 204 |
H24年度 | 43 | 55 | 1.02% | 137 | 89 | 226 |
H25年度 | 48 | 61 | 1.16% | 128 | 95 | 223 |
H26年度 | 48 | 63 | 1.21% | 150 | 92 | 242 |
H28.1末 | 44 | 57 |
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◎【介護保険】について
《なかしま議員》
南砺市の介護保険料納入状況、滞納の状況をどう捉えているか。
《森田地域包括医療・ケア局長》
65歳以上の第1号被保険者18860人のうち滞納者は199人で全体の約1%。
保険料は年金から差し引く特別徴収。65歳に達する年度は、普通徴収によるので、納付忘れ等が大部分を占める。貧富の差より、徴収方法の違いが大きい。
《なかしま議員》
病院へ行くのを我慢していても、悪化すれば行かざるを得ない。介護サービスは限界まで切り詰める。サービスの利用状況はどうか。
《森田局長》
認定者のうち在宅サービス利用者は65%、施設サービス利用者は22%。サービスを利用しない中には、入院している人、利用しないが認定を受けた人、状態が改善し中止した人が含まれる。経済的理由での抑制は現在ない。
《なかしま議員》
病院へ行かなかったり、介護を受けなかったりすると、症状が重くなり、結果的に社会的コストは高くなる。どう捉えているか。
《森田局長》
介護予防出前講座の実施など、介護の必要な状態にならないような取り組みを進めている。要介護を予防し可能な限り自立した日常生活を営むよう取り組んでいる。
在宅サービスの利用状況 | H27.12末 | ||
要介護度 | 認定者数 | 利用者数 | 利用割合 |
要支援1 | 290 | 156 | 53.8 |
要支援2 | 286 | 226 | 79.0 |
要介護1 | 683 | 554 | 81.1 |
要介護2 | 706 | 583 | 82.6 |
要介護3 | 540 | 367 | 68.0 |
要介護4 | 444 | 220 | 49.5 |
要介護5 | 471 | 129 | 27.4 |
計 | 3,420 | 2,235 | 65.4 |