読者ニュース2016年6月19日NO.202
市議会 総務文教常任委員会 視察
学校ICT活用・小中一貫校、保育所民営化、公共施設適正化
市議会の総務文教常任委員会は、5月23日から25日にかけて視察研修をおこないました。岐阜県白川町で「学校におけるICTを活用した実証事業」、三重県名張市で「公立保育所の民営化」、奈良県奈良市で「小中一貫教育」、福井県大野市で「公共施設の適正化に向けた取り組み」について視察しました。
岐阜県白川町 学校ICT 白川町《人口8795人》
白川町の全ての小中学校が小規模校で、ICTを活用した授業で学校間の結びつき、連携が取られることは、南砺市における例を見ても納得が得られ、効果があると思われた。なお、普通規模の学校においても、費用対効果は別として、TV会議を活用して、いくつかの学校で同時に専門家などの講演を視聴することも意義があると思われた。
三重県名張市 保育所民営化 名張市《人口8万0170人》
市内14の保育園をへき地の1つを除き、13園を民営化するとし、9つを民営化した。残る4園は敷地が民地で公立のまま運営する。「民営化の効果」として、保育士の正職化率が上がった(3分の1から半分以上)としている。しかし移管法人の正職員と市役所の正職員の格差は歴然としている。結果として、人件費の削減ということ。
民営化により、国・県からの補助金が6年間で15億円余とのことだが、公立の場合の地方交付税への繰り入れとの比較はされていない。
民営化移管法人が6つと社会福祉法人が多いという条件もある。
奈良県奈良市 小中一貫教育 奈良市《人口36万1570人》
奈良市は、小中一貫教育特区の認定を受け、17年度から施設一体型小中一貫教育校を田原小中学校区で開校、視察した富雄第三小中学校が27年度から開校。他の19の中学校区では、施設は一体ではないが、小中、小同士の連携を進めている。
9年生までの一貫した教育のメリットとして、教員間連携の強化が強調された。職員室も一体であり、連携の良さは十分分かるが、はたして一貫校でなければならないのかは理解できない。
一般にメリットとして強調される「中1ギャップ」の克服という点では具体的な成果は見られないようだった。
福井県大野市 公共施設適正化 大野市《人口3万4581人》
公共施設の適正化は、それぞれの経緯があり状況が異なる。大野市の場合、平成の合併で1村を編入している。
編入した旧村に公共施設が多く、旧市とのバランスで問題が大きい。南砺市のように公共施設の面積でといった、おおざっぱなものではなく、市での温泉、スキー場の在り方の検討といったようなことが課題となっていた。