民報城端 2016年7月 NO.436
なかしま満6月議会報告 まちづくり創生総合戦略 子どもの貧困
6月定例市議会は、6月6日から23日までの会期で開かれ、一般質問は13日と14日に行われました。なかしま満議員が13日に行った要旨を紹介します。
中島 「地方創生」の狙いは道州制の導入
《なかしま議員》
国・財界の「地方創生」の狙いは、道州制の導入にある。十分な警戒が必要と考えるが、見解を。
《田中市長》
国や県から道州制の導入という説明は受けていない。考えすぎだ。一連の流れを好機ととらえ、国の支援制度などを最大限に活用し、総合戦略の取り組みを進めたい。
《なかしま議員》
出生率はH25年度の1・44を31年に1・60。また、2030年の1・80、2040年の2・07は希望であり、願望としては解るが、先まで見越しているのか。
《田中市長》
市民アンケートで、理想の数が「3人以上」が5割、予定数では5割以上が「2人」だった。出生率で2・19となり、出生数で年間250人から300人程度。市民の希望を叶え、幸せを感じて暮らせるまちづくりを進めていきたい。
《なかしま議員》
2005年と2015年の国勢調査時の全体、各地域の人口と割合はどうか。その結果をどうとらえているか。市の「総合戦略」「人口ビジョン」は、全体としての事業や指標があるが、各地域での具体的な取り組
みの考えは。
《田中市長》
国政調査の数値は、今年2月の速報値のみで、確定値は28年10月に順次公表される。それぞれの地域の個性や特徴は尊重すべきだが、旧町村というより、例えば市街地や農村部、山間地など、自治振興会や集落・町内会単位で違うと認識しており、そこに主眼を置くべきと考える。
中島 1人親家庭の貧困率は54.6%
《なかしま議員》
日本の相対的貧困率は、H24年で全世帯の16・1%、子どもがいる世帯で16・3%。1人親家庭の子供の貧困率は54・6%だ。
当初予算児童扶養手当が月額4万2330円だが、昨年と変わらないのではないか。330円増なのか。また、第2子5000円、第3子3000円で昨年と変わっていない。第2子1万円、第3子は6000円でないのか。
《豊川教育部長》
国の見直しは段階的で、物価変動率の改定が今年4月分の手当てから330円増額となる。第2子以降の加算額は、8月1日施行で、12月が支払い月である8月分の手当てから増額され、当初予算に盛り込んでいない。9月以降、予算の補正を予定している。
《なかしま議員》
戦略事業として、暖かい配慮がなされているが、生まれた順番だけでなく、どの子にも、全ての子どもを対象にすることが大切と考えるが、見解は。
《豊川教育部長》
財源の問題もあり、優先順位を設け実施している。子育て支援は、貧困家庭や経済的負担が大きい家庭への対策として優先すべきと考える。貧困に陥りやすい家計を支援することは、その家庭のすべての子どもを支援することになる。
市議会 総務文教常任委員会 視察
学校ICT活用、保育園民営化、小中一貫教育、公共施設適正化
市議会の総務文教常任委員会は、5月23日から25日にかけて視察研修をおこないました。岐阜県白川町で「学校におけるICTを活用した実証事業」、三重県名張市で「公立保育所の民営化」、奈良県奈良市で「小中一貫教育」、福井県大野市で「公共施設の適正化に向けた取り組み」について視察しました。
白川町 【岐阜県】
全ての小中学校が小規模校で、ICTを活用した授業で学校間の連携が取られることは、南砺市の例でも効果があると思われた。普通規模の学校においても、費用対効果は別として学校間で専門家の講演なども良いと思われた。
名張市 【三重県】
市内14の保育園の9つを民営化した。効果として、保育士の正職化率が上がった(3分の1から半分以上)としている。非正規が移管法人の正職員となるが、結果として人件費の削減。
民営化により、国・県からの補助金が6年間で15億円余というが、公立の場合の地方交付税への繰り入れとの比較はされていない。
民営化移管法人が6つと社会福祉法人が多いという条件もある。
奈良市 【奈良県】
奈良市は、17年度から施設一体型小中一貫教育校を一校区で開校、視察した富雄第三小中学校が27年度から開校。他の19の中学校区では、小中、小同士の連携を進めている。
9年生までの一貫したメリットとして、教員間連携の強化が強調された。連携は分かるが、一貫校の必要性は理解できない。
一般にメリットとして強調される「中1ギャップ」の克服という点では成果は見られないようだった。
大野市 【福井県】
公共施設の適正化は、それぞれの経緯があり状況が異なる。大野市は、平成の合併で1村を編入し、編入した旧村に公共施設が多く、旧市とのバランスで問題が大きかった。南砺市のように公共施設の面積でといったものではなく、県内各市との比較もされていない。
袴腰 議会の広報広聴特別委員会で埼玉県の戸田市を視察し、前号でも指摘したが、議会だよりの答弁は当局が書いているとのことだった。結果、質問と答弁は、答弁で終結していた▼市の議会だよりの常任委員会の報告では、5年程前から、QとAだけでなく、委員会としての主な意見を書き、当局に何を求めたかで終結する▼「安倍官邸とテレビ」(砂川浩慶立教大教授著・集英社新書)で、NHKの報道で気になるのは、その見せ方として、「国会審議の模様を報じる際、質問者の質疑後に安倍首相の答弁を映し、特にコメントもなく次の話題へ移る。映像メディアの特性として、この手法では全体の問題点は分からず、最後の安倍首相の答弁だけが印象に残る」▼問題の解説より政府答弁重視の姿勢が如実に表れている。