読者ニュース 2016年8月21日 NO.206
利賀ダム再検討の会 国交省 北陸地方整備局(新潟市)へ
「検証作業のやり直し」を申し入れ
7月29日「利賀ダム本体建設の再検討を求める会」は、新潟市にある国交省北陸地方整備局に「利賀ダムの『対処方針(案)』に抗議し、検証作業のやり直しを求める申し入れ書」を提出しました。
申し入れでは、検証の報告書に対する疑問点も質しました。
利賀ダム建設事業は平成22年9月、国土交通大臣からダム事業の検証に係る検討の指示があり、11月に関係地方公共団体からなる「検討の場」が設置されました。
第2回が23年3月に開催されて以来5年間開かれず、第3回が28年3月、第4回が6月に開かれ、「検証に係る検討報告書(素案)」が出され、6月17日砺波市、18日高岡市で「関係住民の意見を聴く場」、21日に富山河川国道事務所で「学識経験を有する者から意見を聴く場」がもたれ、7月27日に国交省に「建設の継続が妥当」とする報告書が提出されました。
申し入れ書では、8項目を指摘しています。①から④の概要は、左の記事のとおりで、他に⑤ダム建設を含まない対策案の概算総事業費などはしめされているが、積算根拠などがまったく示されておらず、精査・検討のしようがない。
⑥自治体や電力事業者など利害関係者の意見も、鵜呑みにしていては再検証はできない。御母衣ダムなど既存ダムの活用についても、資源エネルギー庁など国の関係機関との調整で可能ではないか。既存ダムの活用と、堤防強化や歌河道整備こそ治水対策の大道である。
⑦「報告書(素案)」のページ数は多いが、利賀ダムに直接関係のない工法の説明や、同じ対策案の説明が繰り返され、概算総事業費の積算根拠や地すべり対策など必要な説明に乏しい。
⑧住民は工事用道路が将来国道になることを心待ちにしている。転流工工事開始から13年も、道路の供用を待たねばならなくては、住民の不利益になる。ダム本体の建設を中止すれば、その分早く供用開始になり、そうなることを望みたい。