読者ニュース 2016年9月18日 NO.208
9月定例市議会 一般質問 利賀ダム建設事業の検証
◎地すべり ◎予算確保 ◎工事用道路
9月定例市議会は、8月29日から9月15日までの会期で開かれ、一般質問は5日と6日に行われました。中島満議員が5日に行った要旨を紹介します。
検証作業は公正か?
《なかしま議員》
6月5日「検討の場」に「利賀ダム建設事業の検証に係る検討報告書(素案)」が発表され、17・18日砺波市、高岡市で「住民から意見を聴く場」、21日富山市で「学識経験者から意見を聴く場」が開催された。砺波市では賛否それぞれ4名、学識者の意見は11名すべてが賛成者。検証作業に反対の有識者を入れず、不公正な構成だ。
《上坂ふるさと整備部長》
科学的合理性等の確保を図るため学識経験を有する者から意見を聴くとされており、庄川水系河川整備計画の策定の際の流域懇談会の委員に加え、現在、庄川で河川の調査、計画、管理の技術的な助言をいただいている3名を加え実施したと伺っている。
地すべり対策は十分か?
《なかしま議員》
「検討の場」に配布された資料は、全体で460ページあるが、地すべりについて2ページしかない。対策地区が4カ所から7カ所になっているが、事業費は93億円から97億2千万円にすぎない。それぞれの事業費はどれだけか。またこれで十分と考えているのか。
《ふるさと整備部長》
技術指針(案)(H21年7月)に基づき、調査及び再検討が十分なされた結果、対策箇所が4地区から7地区に変更となり、対策工は最新の知見に基づき十分な検討がなされたと聞く。
予算確保の見込みは?
《なかしま議員》
工期はH34年度で7年しかない。転流工進入路着工から最短で13年後、2029年に完了する。工期の変更は当然だ。
工事用道路は全区間が約10・8km、28年度末で5・7kmだが、道路でどれだけを使ったのか。
総事業費が1150億円から1276億円となった。残事業費は844億円で、13年で割れば1年に65億円となる。来年度の概算要求でも22億3100万円で、予算確保の見込みはあるのか。
《ふるさと整備部長》
工事用道路で、190億9千万円支出済みで、残事業費は145億8千万円。予算の増額確保など、引き続き国へ要望していきたい。
工事用道路の通行は?
《なかしま議員》
新潟市の地方整備局への要望の際、工事用道路の通行に配慮を求めたが、「聞く耳持たず」ではなかった。本体工事に着工しても一般車両の通行ができるよう、粘り強く、機会あるごとに働きかけを。
《ふるさと整備部長》
ダム本体が完成するまでは通行できないことから、工事用道路の一般車両の通行についての配慮を市からも要望している。
緊急時や冬期間でも安全に通行できる道路の確保は、地域住民の願いであり、引き続き関係機関へ要望していきたい。